第31景 柳町人道橋 首都圏を結ぶ圧巻の大動脈

前回の街歩きの折に、鶴見大橋での取材が終わって生麦駅付近のお蕎麦屋さんにて打ち上げ会、その後の予定として31景の候補地として、生麦駅に隣接する歩道橋を取材してみてはーとメンバーからの推薦があったのですが、お酒がおいしかつたことと席上での話が盛り上がったという事情もあって、すっかり酔いしれて打ち上げ会のお開きとともに、そのまま家路に向かうことに。そして取材先の失念に気づいたのは、なんと帰宅途中の電車の中。ウーン、困った、どうしよう!ということで改めて取材に訪れることに。

後日、目的地である京急生麦駅に隣接している歩道橋ヘ。早速取材をはじめたものの、その歩道橋には大人の背丈以上もある金網が張られ、とても好みに合いそうな写真は取れそうもないなぁ!と思いつつ鶴見駅方向を見ると、同じく駅の反対側にも歩道橋が。今立っているこの橋と向こう側に見える橋とどっちがお薦めなのか!しかも向こうの橋の方が金網の張り具合もこちらと比べてはるかに低いように見えましたので、もしかして向こうの橋なのかもと早速移動してみることにー。

しかし実際にその橋を上って行くと先程の橋と同じ位置に金網が張られていて、隣の芝生がよく見えただけのことだとわかりました!

橋の下にはおびただしいばかりの鉄路が敷設されていて、次から次へと列車が行き交い、その景観はまさに壮観そのものです。京浜東北線を始めとして、東海道線、横須賀線といった主要幹線が上下2本づつ走っていて、さらに京浜急行線やJR貨物線も走行するというように、それこそ首都圏と神奈川を結ぶ大動脈がずらりと勢ぞろい。そればかりかスケールをもっと広げていけば日本列島を東西に縦走する鉄路が張り巡らされ、走行する列車の数も膨大なものになるでしょう。橋の上からの眺めとしては鶴見駅方面を眺めてみると、駅前にあるシークレインのビルが秋空に映える姿を見せています。この歩道橋から見えるシークレインは線路の左手に見えるのに(写真参照)、電車で鶴見駅に近づくにつれて反対側である右手方向に見えてくるのが摩訶不思議!(写真は2022年10月に撮影)

第32景 生見尾人道橋 あの"開かずの踏切"と併設している跨線橋

おススメの本命は31景より生麦駅の改札口につながる歩道橋にあるだろうと思い直し、早速に再取材。とはいえ肝心要の橋の名前がわからないとあっては、取材の意味をなしません。駅員さんに尋ねても埒が開かず、橋の名前を記したプレート探しと景観取材を同時に当たるという成り行きに。

実際に橋の上に上がってみると、みなとみらい方面に見えてくる眺望もなかなかのもので、あのランドマークタワーの雄姿も橋を登るやいなやすぐに見え始めます。

さて橋のどこを探してもプレートらしきものが見当たらず、ついにそのまま向こう側にたどり着くと目の前にエレベーターが。そうか!エレベーターだったら内部のどこかにプレートがあるに違いない、と確信しながら中に入ってみると、果たせるかな予想通りにプレートがありました。さらに地上階に降りて横の壁面を見ると、そこにも紛れもなく橋の名前を記したプレートが!それをみてみると「生見尾人道橋」とありますが、その「生見尾」という文字をどう読んでみたらよいのか?、そこでプレートに記してあった担当のお役所に問い合わせてみると「ああ、その橋の名前ねー!ウミオと読むんですよ」とのこと。ことのついでに31景の跨線橋の名前も尋ねてみることに。すると「えーっ?生見尾の隣にある橋の名前ですか?ちょっと待ってくださいよ」としばしの待機。ややあって電話の向こうから「あの橋は柳町人道橋ということになっています」。こうして31景の名前が明らかになったのですが、人道橋とはなんともお堅いネーミングですね!

ところでこの橋に併設している踏切は地元商店街をまたぐ形で作られていて、それこそ四六時中、列車が行き交い、まさに"開かずの踏切"として全国的にその名を轟かせているようです。生見尾踏切の読み方がわからないといったら、それこそ「お前は何十年、鶴見区の住民をやっているのだ!」とそこかしこでお叱りを受けそうですので、これにて失礼します。最後にもう一つ、この歩道橋いや人道橋からの夜景も一押しの景観ですので、紹介しておきます。(写真は全て2022年10月に撮影)

エレベーター内のプレート「生見尾」読めますか?
夜景もお勧めです。