2023年11月に散策を実施しました。

第68景 目の前に貯水塔の威容 橘学前

橘学苑前のバス停にて集合。かってはミスター臨調として一世を風靡し、また橘学苑の創業家でもある土光家の旧邸を後に獅子ヶ谷通りを鶴見駅方面へ。右側にはマンションがびっしりと立ち並んでいる通りですが、しばらく進んでいくと、ぽっかりと間の開いたところが出てきます。そこから鶴見のシンボルとも言うべき貯水塔の姿が真っ先に目の中に飛び込んできます。この場所から貯水塔までの距離が短いので、よく見えているのは当たり前ですが、やはり気になるのは対象物ともなるモニュメントがどのように見えるかということではないでしょうか。家々の間に黒々とした貯水塔がによっきりと姿を表している景観美としては、この界隈でも指折りのロケーションともいえます。しかも立ち並ぶマンションに遮られて丘陵地の上を歩いているにもかからずほとんど景色らしきものを見ることのできない状況の中にあって、突然のように視界が開けて圧倒的な存在感を示す貯水塔の堂々とした姿は、まさにこの立地からの眺望ならではの景色ではないかと思います。そしてその横には東電の2本の煙突がかしこまっているかのように見えていて、これまた一幅の風情を添えています。

第69景 ここからもプリンスホテルが 北寺尾バス停付近

獅子ヶ谷通りをさらに進んで北寺尾のバス停の付近に車が数台置ける程度のこじんまりとした時間駐車場が見えてきます。そこは視界を遮るものがないため、見晴らしもそこそこ良くて、目の前に貯水塔の姿が見えてきます。ところが同じ貯水塔を見ているのに、先程の威風堂々とした姿とは打って変わって、どことなくこじんまりとした風貌を見せているのが、なんとも不思議です。
「さっきの場所からも貯水塔が見えていたけど、ここから見える貯水塔はちょっと小さめに見える気がするんだけど。」「そう言われてみれば、そんなふうに見えるね。ここから見える姿は、おとなしくかしこまってるかのように見えるんだけど、気のせいなのかなあ。」「同じく貯水塔を見ていても、見える場所や環境の違いによってこんなにも変わった様子に見えてくるんだね!」「そうした体験を味わうのも、街歩きの楽しみ方の1つですね」「こんなところからプリンスホテルが見えるなんて、ちょっとした拾いものだね」「確かに!こんな場所からプリンスホテルが見える意外性がサプライズみたいだし、青い山の稜線をバックに円筒形のビルが映る景色は貴重なロケーションかもしれないね!」
それに加えて貯水塔のすぐ横にランドマークタワーがうっすらと浮かんで見えている光景も、お見逃しなく!

第70景 人家の密集地に一押しの見晴らし 馬場町バス停付近

三ツ池口バス停付近で獅子ヶ谷通りに別れを告げ、貯水塔方向へ向かう道路を進んで、やがて水道道(すいどうみち)に。そして馬場町のバス停あたりで、左手へと入っていく私道のような狭い路地を進んでいくと、人家が立て込んでいる一角にたどり着きます。
「こんなところに来てしまったけど、お目当てでもあるのかなあ。」「こんなところに何があるわけ?なんて思うかもしれないが、ではこの家とその家の間から、見える景色をご覧あれ!」「えー、この景色!すごい!」「でしょう!こんなひっそりとしたところだけど、これほど見事な見晴らしが広がってるなんて予想もしないでしょう、この隠れた意外性には、ちょっとした驚きものなんだよ」
家と家との間から見えてくる光景は、みなとみらいのビルが一塊りになっていて、ランドマークタワーを中心に半円形のコンチネンタルホテルやその向こうに北仲の黒いのっぽビルも見えていて、壮観そのものです。このように意外な場所に隠れている景観地を発掘して、そこにスポットを当ててみるのも、町歩きの楽しさを倍増させてくれるものがあります。

第71景 みなとみらいからつばさ大橋まで 馬場3丁目

第70景を後に狭い路地を道なりに進んでいくと、人家もまばらになって急に視界が開けてきたと思いきや、目の前にはみなとみらいを象徴する壮観な景色がパノラマのように広がっています。そればかりか横浜駅周辺のビル群までが重なって見えているため、ビル群とビル群とが合成されて、1つの塊となって目の前に迫ってきます。ここもまさしく隠れた景観として一押しの景勝地であります。とにかく路地そのものは、人が歩いて通れる程度の道幅で、しかも途中には階段のある場所もあり、車はもちろん自転車さえも通さない遊歩道のような路地ですので、街歩きをする人しかこの景観を楽しむことはできません。悪しからず!しかもビル群が林立しているその横には、ベイブリッジやつばさ大橋もはっきりと視界にとらえることもできて、なんともぜいたくなロケーション地とも言えるでしょう。

第72景 圧巻そのものビル群の塊 馬場4丁目26

遊歩道のような路地を通り抜け、やがて貯水塔の真裏を出たあたりで右折してしばらく進むと、お目当ての候補地に。この場所からのロケーションも見事な見晴らしが控えていて、眼下にはきれいな街並みが広がっています。第71景と同様にみなとみらいと横浜駅周辺のビル群とが一塊になって見えていますので、その存在感は圧倒的なスケールがあります。

第73景 駐車場越しにビル群の情景 馬場四丁目24

再び水道道へと引き返し、スーパー相鉄ローゼンの手前の道を左折して、すぐのところにもちょっとした見晴らしの良いところがあります。個人宅の駐車場越しに見えている景色は、ランドマークタワーを筆頭にみなとみらいのビル、さらにその前方にある横浜駅周辺のビルと重なってビル群の塊のように見えて、それなりの趣きと重厚感があります。掲載している写真はそのような設定の1枚。中央に見えているビル群には、それぞれのビルが妍(けん)を競うかのような存在感を感じさせるものがあります。

第74景 樹々の間からプリンスホテルが 馬場4丁目27

第73景でちょっとした寄り道をしましたので、再び元来た道へと引き返してしばらく道なりに進んでいくと、道路の右手側にチラリチラリと見えてくるものがあります。やがてT字路に差し掛かると道路の真ん中にプリンスホテルの姿が見えてきました。「あそこにプリンスホテルが見えてるけど、どうだろう、ホテルが道路のど真ん中に見える光景は、なかなか見られないと思うのだけど。」「確かに道路の真ん中に見えるなんて貴重なロケーションかもね。ただ、周りに電柱がたくさんあり、多くの電線が張りめぐされていて、景観美を損ねていると思う。もう少し景色の良いところを探してみましょう!」ということで、しばらくの間黙々と歩き続けていくうちに「あった!ここはどう?素晴らしい眺めじゃない?丘陵地の上にぽっかりと浮かんで見えるプリンスホテル!ちょっとした絵柄になるんじゃないのかなあ!」「そう言われてみれば、確かに1枚の絵になるような景色だね。」
近所の人の話によれば、ここから見える富士山の景色も絶品で、冬期におけるその見事な山容は、この界隈における共通の語り種になっているとか。

第75景 貯水塔を裏側から見る 馬場町公園付近

第74景を後に道なりに進んで行き、やがて右手の路地を入ったところで馬場町公園が見えてきます。そして右手に見える丘陵地の真ん中にでんとした構えを見せている貯水塔の姿を捉えることができます。このあたりもそうなのですが、鶴見区内には丘陵地がいくつもの筋を重ねて存在していますので、こちら側の高台から向こう側の高台を見るとその景色の美しさに感嘆させられることが少なくありません。ここから見える貯水塔の場合も周りの景色にうまくマッチングして一幅の絵を見るかのようです。しかも第68景や第69景から見えていた景色とは真逆の姿が見られるというのも丘陵地の多い地形ならでは・・・といえるのではないでしようか?同じ塔の姿であっても、どの位置から見るかによって、いろいろな見方ができることも景色や景観の楽しみ方と言えましょう。

第76景 見事な景観をロケ地にも馬場4丁目12

馬場町公園から元の道を引き返し、再び道なりに進んで下り坂に差し掛かるちょっと手前を右折すると、まもなく予想もしていなかった広大な見晴らしの地が登場してきます。これほどのボリュームのある景観地は鶴見区内でもそうそうあるようには思えません!
「鶴見区内に住んでいて、それほど広くてすごい眺望のところがあったなんて思わなかった。まるで横浜市のシンボルとなるものが勢ぞろいしているようでびっくり。」「確かに横浜のモニュメントがこれほどたくさん見えるところはそう多くはないだろうね。こっち側にはつばさ大橋やベイブリッジが見えているし、向こうにはランドマークを始めとするみなとみらいのビル群も総出演といったところかもしれない。」「東電の2本の煙突もあそこに見えているし、自家発電用の風車もちゃんと見えているわけだから、これだけのスケールを持つロケーションとなったら、鶴見はもとより横浜市内でもそれほどないかもしれないね!」
これだけ立地条件の良い場所柄、それを活用しない手はないだろうということなのでしょうか。近所の人の話によれば、テレビや映画のロケ地としても利用されているようで、さすが景観美の目利きとも言うべきプロのメガネにも叶うような絶景の地ということなのでしょうか。

第77景 電波塔が最も美しく 寺尾地区センター前

圧巻の第76景を後にもと来た道を引き返し、相鉄ローゼン横の道路を直進しながら再び獅子ヶ谷通りに出て、先ほど歩いてきたのとは反対側の歩道を獅子ヶ谷方面へ。寺尾地区センターの手前あたりの場所から見事な電波塔の姿が見えてきます。言うまでもなく電波塔にはそれなりの高さがありますので、区内の至るところで目視できますが、この場所から眺望する塔の美しさは他の追随を許さないものがあり、見る人の心を和ませてくれます。なぜそんなことになるのかといえば、電波塔との距離が関係しているのかもしれません。近すぎてもダメ、遠すぎてもダメ!程よい位置で鑑賞することで、電波塔の美しさを堪能する最大の決め手なのかもしれません。